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【健康経営実践コラム】きょうも健やか!(第12回/全12回)「いまさら聞けない……。運動って何を指す? 身体活動って何?」

 

※このコラムは、健康リテラシー向上に向けた情報提供を目的として、東京商工会議所のメールマガジン「健康経営倶楽部マガジン」にて配信したものです。
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厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準2013」では、これまで「運動基準」と定義していた活動量を、「身体活動基準」という記述に改めました。

身体活動とはいったいどのような活動をいうのでしょうか。

 

体のあらゆる動きが「身体活動」

医学的にいえば、身体活動とは「骨格筋が収縮してエネルギーが消費されるもの」。私たちは、体を動かしエネルギーを消費していますが、その動き1つ1つがすべて、「身体活動」なのです。

では、運動とは何でしょうか。

運動とは、身体活動の一部。厚生労働省は、身体活動を「生活活動及び運動」と説明しています。運動は主に体力レベルの向上を目的とし、意図的に体を動かすこと。一方、日常の歩行や通勤、買い物や家事、犬の散歩などは「生活活動」。スポーツは「運動」に含まれるといえるでしょう。

例えば、台所で冷蔵庫と電子レンジと流し台の配置を踏まえて、「効率よく調理しよう」と考えて動くのは、生活活動です。一方、「家の中で移動する時間を増やそう」と考え、もし家電などの配置を換え、意図的に動きをプラスするとなると(そんな人はいないでしょうが……)、それはエクササイズ、つまり運動に近くなってくるわけです。

 

生活のなかに身体活動を取り入れよう

近年、運動に限らず、生活活動を含めた身体活動の量が、糖尿病をはじめ、多くの生活習慣病の予防に効果があることが、科学的に証明されてきています。

厚生労働省が、これまで用いていた「運動基準」という表現を「身体活動基準」という表現に改めたのも、健康への効果が「運動」に限らず、広い意味での「身体活動」にあるということを明確に示すためなのです。

運動というと敷居が高いように感じられますが、日常のなかで少しでも多く体を動かすことを意識すれば、誰でも簡単に健康効果が得られます。

現代は、家事の活動量も昔に比べ大幅に減っているうえ、移動するときも車や電車を使うなど、生活のなかでの身体活動量が減少している時代。ほんの少し体の動きを意識して、生活のなかに身体活動を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

※この記事は、執筆時点での情報に基づき作成しております
(執筆年月日:2018年6月13日/確認年月日:2023年2月28日)。

【監修】

勝川史憲(かつかわ・ふみのり)

慶應義塾大学スポーツ医学研究センター教授

1985年慶應義塾大学医学部卒業。
慶應義塾大学スポーツ医学研究センター助手などを経て現職。
専門は、若年肥満、メタボリックシンドロームの運動・食事療法。
運動と食事の両面から生活習慣病に取り組むスポーツドクター。

 

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