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【健康経営実践コラム】きょうも健やか!(第11回/全12回)「スマートフォンを使っていると肩がこってきませんか?」

 

※このコラムは、健康リテラシー向上に向けた情報提供を目的として、東京商工会議所のメールマガジン「健康経営倶楽部マガジン」にて配信したものです。
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電車やバスに乗ると、乗客の多くが、スマートフォン(スマホ)などでメールやLINEのやりとりをしたり、ニュースサイトを読んでいたり、ゲームに興じています。

若者のなかには、寝ているとき以外はスマホを手放せなくなっている“スマホ依存症”ともいえる人も決して少なくありません。このように、スマホを長時間使用することで、健康上の問題が起こることがあります。

 

あなたは次の項目、いくつ当てはまりますか?

①毎日、1時間以上スマホを続けて操作している
②最近、頑固な肩こりがあり、目が疲れている
③いつも体にだるさや疲労感があり、睡眠をとっても解消されない

当てはまる項目が多いほど……

「スマホの使いすぎによる肩こりの可能性」が高くなります。

スマホを使うときには、細かい文字や小さな画面を見るために、どうしても前のめりになってのぞき込む姿勢になりがちです。スマホを使っている人を見ると、猫背や両肩が内側に丸まる、いわゆるスマホ姿勢(スマホ巻き肩)になっています。

よい姿勢で立っているときは、肩の周囲にある僧帽筋(そうぼうきん)や肩甲挙筋(けんこうきょきん)、菱形筋(りょうけいきん)という筋肉にかかる負荷は、主に腕の重さです。頭部の重さは全身の筋肉で支えています。ところが、スマホ姿勢になると、頭と肩、腕が体の前方に突き出し、スマホを持つために手の甲が前方を向いた状態です。そうした姿勢では、体の重心が前方に移り、首の下の背中側の左右にある肩甲骨が外側に移動します。

その結果、頭や腕を引き上げたり、肩甲骨を内側に引き戻すために、肩周辺の筋肉に大きな負担が集中します。また、同じ姿勢をとり続けるために、肩周辺の血流が悪くなって筋肉が硬くなります。その結果、慢性的な肩こりを起こしやすくなるのです。

こうした姿勢を長時間、しかも繰り返し続けていると、肩こりになるだけではなく、体全体にも悪影響を与えます。疲れがとれない、いつも体がだるいなどの症状を招きやすくなるのです。

また、スマホの操作によって猫背になると、骨盤が後ろに傾いて膝が曲がるため、背中や太ももの前側の筋肉に大きな負担がかかります。その結果、腰や膝に疲労がたまることで、痛みが表れることがあります。

さらにスマホ姿勢は、肩周辺の筋肉が硬くなるのに加えて、細かな文字や小さな画面を集中して見ることで、目の疲れによって肩こりを招くことがあります。目の疲れはそのほかにも、極端な視力の低下やドライアイを引き起こすこともあります。

スマホの使いすぎによる肩こりの対処法

スマホ姿勢を予防するには、まずスマホを使う時間を減らすことが大事です。そのためには、10分間スマホを使ったら次に使うまで1時間以上時間をあけるなど、スマホを使い続けない習慣づけをしましょう。

スマホ姿勢による肩こりには、肩を回したり、上下や前後に動かすストレッチが効果的です。

 

※この記事は、執筆時点での情報に基づき作成しております
(執筆年月日:2019年7月29日/確認年月日:2023年1月24日)。

【監修】

松本守雄(まつもと・もりお)

慶應義塾大学医学部整形外科教授

1986年慶應義塾大学医学部卒業。同大学医学部整形外科准教授を経て、2015年より現職。
2021年より慶應義塾大学病院病院長。専門は整形外科学、特に脊椎疾患の治療、腰椎の低侵襲手術、脊柱側彎症の手術。
日本整形外科学会認定整形外科専門医・認定脊椎脊髄病医・認定脊椎内視鏡下手術・技術認定医。

 

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健康経営倶楽部|東京商工会議所
https://www.tokyo-cci.or.jp/kenkokeiei-club/