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「血糖値が高め」と指摘されたら、日頃の生活習慣を改めるチャンスです。
食生活だけでなく、運動量についても見直してみましょう。
運動不足の自覚はある?
働き盛りの世代では、“忙しい” “疲れている”といった理由で、運動習慣のない人が少なくありません。ジョギングやテニス、ゴルフといったスポーツをする習慣がないだけでなく、日常生活で歩くことすら少ないという人も多いのが現状です。
そこで、日頃の運動量をチェックしてみましょう。以下の項目に1つでも当てはまれば、運動不足だといえます。
▢自宅から勤務先までは車で行き、勤務もデスクワークが中心
▢勤務先までは公共交通機関を利用しているが、通勤の往復以外に歩くことはほとんどない
▢買い物に行くときは自宅から歩ける距離の店であっても車を使う、基本的に出不精。
休日は家でのんびりしていることが多い
▢スポーツ、ヨガ、山歩きなどの、体を動かす趣味をもっていない
水運動不足による「脂肪筋」が血糖値を上げる
なぜ、血糖値の改善に運動が必要なのでしょうか。まず日常的に歩行量が少ないと、筋肉量が減り、さらに脂質の摂りすぎなどで、筋肉の細胞に余分な脂肪がたまった「脂肪筋」の状態になります。この筋肉量の減少と脂肪筋の併発が筋力を低下させるだけではなく、筋肉でのインスリンの働きを低下させ、ブドウ糖を筋肉に十分に取り込めなくするため、血液中にブドウ糖があふれた状態になり、血糖値が高くなるのです。
血糖値を改善するには、筋力を鍛え、脂肪筋を改善することが大事。そのためには、食生活の改善とともに日常生活での歩行量を増やすことが欠かせないのです。
「運動は苦手」「運動を始めてもどうせ“三日坊主”で終わる」などと、最初から諦めがちな人もいますが、たった1回の運動でも一時的に血糖値は下がるのです。少しずつ体を動かすことで、気分がすっきりしたり、楽しくなったり、体調がよくなれば、自然と運動習慣が身に付くはず。
まずは、散歩でもかまわないので、体を動かしてみましょう。
※この記事は、執筆時点での情報に基づき作成しております
(執筆年月日:2018年5月23日/確認年月日:2022年9月30日)。
河盛 隆造(かわもり りゅうぞう)
順天堂大学名誉教授ならびにトロント大学教授
1968年大阪大学医学部卒業。
トロント大学医学部、順天堂大学医学部内科学・代謝内分泌学教授などを経て、現職。
専門は糖尿病・代謝内分泌学、動脈硬化学。糖尿病に関する誤った知識や危険な情報に警鐘を鳴らし、正しい知識の普及に尽力している。
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