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<中小企業も挑戦しやすい>実践!これから始める越境EC

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※本記事は、東商新聞 2021年6月20日号に掲載したコラムをWEBページ用に再編・掲載しています。


少子高齢化、人口減少による日本市場の縮小や、コロナ禍による対面ビジネスの減少。これらのお悩みを一気に解決するのが「越境EC」です。
基礎をおさえていれば、中小企業の事業者でも挑戦しやすい。そんな越境ECについて、ジェイグラブの越境ECコンサルタントである横川広幸さんに解説していただきます。

ポイント1:なぜ“今”なのか?

コロナ禍でも業績が伸びたのはEC業界で、アドビの調査によれば、欧米で3割程度の売上増を記録。米フォーブスの記事によれば、コロナ前のEC成長率で5・6年かかるはずの流通取引総額をロックダウン中の数カ月で達してしまったという。
そして、コロナ後もECは高止まりすると多くの専門家が異口同音に分析しており、取り組み始めるには最良の追い風が吹いている。また、6割近くのインバウンド旅行者は帰国後にインターネットなどで消費をリピートするというデータもある。今のうちにしっかり仕込む方が賢明だ。 

ポイント2:進出法は主に2つ

①自社サイト立ち上げ

自社ドメインの越境通販サイトの構築には、費用や時間を節約できるため海外の商習慣に合ったパッケージ使用が推奨される。世界的にMagento、Shopifyなどが比較的多く利用されている。自力構築が難しい場合は専門家に任せると良い。

②海外ECモールへの出店

自社サイトはカスタマイズや独特な販売手法など、自由度が高いが、海外の人に見つけてもらうのが難しい。店の信用がないからである。信用や知名度、認知度のない状態では誰も買わないだろう。越境ECは、新天地での商売なので、簡単に言えば、商売の基本に立ち返る必要がある。それは、「銭より信用」である。
そこで、信用を早く勝ち取る場、早く顧客を捕まえる場、広告費を節約できる場として海外のECモール利用も推奨する。欧米ならAmazon、eBay、東南アジアならLazada、Shopee、中国なら天猫、京東などが有名だ。

ポイント3:始める際の注意点

次の4点は越境ECで必須だが、同時に多くの人が不安に感じる分野だ。

①物流

物流は、国際郵便と国際クーリエに大別できる。国際郵便は簡易通関方式が主流で、やや時間がかかるが価格は比較的安い。一方、FedExやDHLなどの国際クーリエは価格は高めだが、スピードは早い。
海外ではどれか1社に絞らずに、こうした条件の違う物流をうまく組み合わせて、その時々の条件の良いものを選択するCarriers Mixが主流だ。また、在庫は日本に置いておき、購入者に直接送る個人輸入形式の方が手続きは楽である。

②決済

決済は基本的にクレジットカードに対応できれば問題ない。決済代行サービスのPaypal、Stripeなどは入れておくと良い。Shopifyを利用する人はShopify Paymentsの設定だけでカード決済が可能となる。なお、欧米や東南アジアのECモールを利用する場合はPayoneerのアカウントを開設しておくと良い。

③ECサイトの翻訳

最もコストが掛からず、すぐに訳文を手に入れられるのはGoogle翻訳だが、精度に不安があるので、利用にはある程度の語学力が必要。
ローコストで確実なのはクラウド翻訳だ。オンラインで原文をアップロードすれば数時間で翻訳文が手に入る。翻訳するのは一定水準以上の翻訳者なので、翻訳の問題は解決すると言っていい。

④関税や法令

関税は基本的には買い手が負担するのが世界的な常識であるが、トラブルにもつながりやすいので、商品ページごとにしっかり説明しておくほうが良い。また、関税の他に輸入間接税もあり、欧州では売り手が納税者になる場合がある。詳細は専門家に聞いておくことをお勧めする。

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ポイント4:実際の活用例

まずは、都内の中古カメラを取り扱う企業。この企業はECモールと自社サイトを併用している。アクセス数の多いECモールで1回目の取引をし、信用を得た後の2回目以降の買い物は自社サイトに誘導する。この手法でコロナ禍でも1人で年商2億を上げている。

次に、神戸にある畳店。海外のライフスタイルに合わせた畳を提案している。当初は自社サイトのみでなかなか売れなかったが、ECモールにも進出して以降3年で累計6万枚もの畳を海外に発送している。さらに、BtoCをECモールで行っているうちにBtoBのオファーを受けて販路を拡大した陶磁器店などの成功例も生まれている。

必ず成功するという方程式はないが、自社サイトとECモールの併用で成功する事業者は極めて多い。どちらか片方だけではなく、両方を併用することをお勧めしたい。

ポイント5:支援機関のご紹介

越境ECに関する主な支援機関としては以下が挙げられる。
総合的な支援が必要な場合は、進出から操業までハンズオン支援のあるジェトロの「新輸出大国コンソーシアム」や、相談内容に応じて専門家を紹介してくれる「中小企業庁の中小企業119」が良い。出店法、自社サイトの改善点など具体的な悩みがある場合は、専門家に直接相談できる「中小企業ebiz」がおすすめだ。

 

【執筆者プロフィール】
横川 広幸

ジェイグラブ 取締役
法人営業責任者・越境ECコンサルタント


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