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【健康経営実践コラム】きょうも健やか!(第6回)「運動不足の人はがんになりやすい?」

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※このコラムは、健康リテラシー向上に向けた情報提供を目的として、東京商工会議所のメールマガジン「健康経営倶楽部マガジン」にてに配信したものです。
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日頃の運動不足が、肥満やメタボリックシンドローム(メタボ)などの生活習慣病を招くことは、今や常識です。
では、運動不足ががんの発生に影響するかもしれない、という事実はご存じでしょうか。

運動不足で結腸がんリスクが4割アップ?!

国立がん研究センターの研究では、日常の身体活動量が少ない人ほど、男女ともにがん発症のリスクが高くなることがわかっています。

特に身体活動量との関連が認められているのは、男性の大腸がん(結腸がん)、肝がん、膵(すい)がん。女性の胃がん。
なかでも男性の結腸がんの罹患(りかん)率を見ると、身体活動量が最小の集団は、最大の集団に比べ約40%もリスクが高くなっているのです。[Glycative Stress Research 2019;6(4):241-247]

こうした研究結果に基づき、国立がん研究センターでは「科学的根拠に基づくがん予防」に、身体活動を掲げています。
また、世界がん研究基金や米国がん研究協会でも、運動は結腸がんのリスクを確実に下げると評価しています。

運動でインスリン抵抗性が改善

運動ががんを予防するメカニズムについては、まだ完全に明らかにされていませんが、現時点では、身体活動によって「インスリン抵抗性」が改善するためでは、との考えが有力です。

インスリンとは、炭水化物(糖質)の代謝において重要な役割を担うホルモン。
血液中のブドウ糖を細胞に取り込んで利用するように働きかけ、血糖値を正常にコントロールしています。
インスリン抵抗性とは、こうしたインスリンの作用がうまく働かなくなることです。

インスリン抵抗性があると、炭水化物を代謝するために、より多くのインスリンやインスリンに似た物質が分泌されます。
これが細胞を刺激してがん化を促すのではないかとされるのです。
運動などで体を活発に動かすと、インスリン抵抗性は改善します。
すると、インスリンやインスリンに似た物質の分泌も必要な量に抑えられるので、がんのリスクも下がると考えられます。

さらに運動には、肥満改善の効果もあります。肥満は、インスリン抵抗性を促すとともに全身のさまざまな炎症を悪化させて発がんリスクを上げますから、肥満を予防・改善できればがん予防につながります。
また、適度な運動による免疫機能改善や活性酸素の抑制も、がん予防に役立つと考えられています。


※この記事は、執筆時点での情報に基づき作成しております(執筆年月日:2019年4月17日/確認年月日:2021年9月13日)。

【監修】
津金 昌一郎(つがね・しょういちろう)

国立研究開発法人 国立がん研究センター社会と健康研究センター センター長

1981年慶應義塾大学医学部卒業。
国立がんセンターに入所後、がん予防・検診研究センター予防研究部長、センター長などを経て現職。
朝日がん大賞、高松宮妃癌研究基金学術賞などを受賞。
数々の研究結果を実生活につなげた「日本人のためのがん予防法」を提言。がん予防のスペシャリスト。

 
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<この記事に関連するサイト>
健康経営倶楽部|東京商工会議所
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