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【企業の防災対策】第1回「防災週間に安否確認の事前訓練を」

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近年、地震や台風、大雨などの災害が各地で多発しており、企業における防災対策の必要性が高まっています。

今回は、「防災週間」(8月30日~9月5日)にあわせ、9月3日までの5日間にわたって、災害時の安否確認に関する事前の備えについてご紹介いたします。


災害リスクの高まり

近年、自然災害は激甚化・頻発化しています。
「滝のように降る」と表現される、1時間あたり50mm以上の大雨の平均年間発生件数は、統計を開始した1976年~1985年の10年間の平均と比べ、直近10年間では約1.5倍に増加しています。(1976~1985年:約226回→2011年~2020年:約334回)。
さらに、広範囲で震度6強となり、震度7の地域が出るとされる首都直下地震の発生確率は、今後30年以内に約70%と、大地震の発生も切迫しています。

いざ災害がやってきた時に、まず気になるのは、家族や従業員の安否ではないでしょうか。家族や従業員の安否が確認できる手段をあらかじめ用意しておくことが重要です。

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気象庁「全国の1時間降水量50mm以上の年間発生回数の経年変化(1976~2020年)」https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/extreme/extreme_p.html)を加工して作成
※棒グラフ(緑)は各年の年間発生回数を示す(全国のアメダスによる観測値を1,300地点あたりに換算した値)。
太線(青)は5年移動平均値、直線(赤)は長期変化傾向(この期間の平均的な変化傾向)を示す。

企業に求められる対応

大地震による被害を減らすために、安否確認手段の確保の面でも、企業に事前の準備が求められています。

東日本大震災で多くの帰宅困難者が発生したことを踏まえて、東京都は2012年に「東京都帰宅困難者対策条例」を制定しました。
この条例では、「従業員の一斉帰宅の抑制」「3日分の備蓄の確保」等と合わせて、「従業員との連絡手段を確保すること」「家族等との連絡手段を複数確保するよう周知すること」が努力義務とされています。

(参考)東京都帰宅困難者対策ハンドブックhttps://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/bousai/1000031/1001369.html

安否確認手段の実態

それでは、多くの企業では、実際にどのような手段を準備しているのでしょうか。

東京商工会議所が2021年3月に行った調査では、「従業員との安否確認手段」「従業員と家族との安否確認手段(企業が従業員に周知しているもの)」として、いずれも「メールやSNS(Twitter, Facebook, LINE等)」といった普段使い慣れているツールを挙げた企業が最多となりました。

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しかし、一定以上の従業員を擁する企業においては、メールやSNSでは情報の集約に時間がかかります。そのため、民間企業が提供する安否確認サービスの活用が有効です。
そこで、明日からは、民間企業が提供する安否確認サービスの導入を検討するにあたってあらかじめ確認しておくべき点や自社にあったサービスの選び方について、一般社団法人 ASP・SaaS・AI・IoTクラウド産業協会(略称:ASPIC)様より、ご紹介いただきます。


(参考情報)家族との安否確認訓練について

ご紹介いたしました通り、企業には「従業員との連絡手段を確保すること」に加えて、「従業員と家族との安否確認手段を複数確保するよう周知すること」が求められています。

東京商工会議所では、企業の従業員の皆様が、災害時の連絡手段についてご家庭で話し合い、あらかじめ備えができるよう、「家族との安否確認訓練」として、各自に合わせたツールの選び方やご家庭での訓練の進め方をまとめています。
8月30日から9月5日の防災週間をはじめ、各ツールには無料体験日が設けられていますので、是非ご家族とお試しください。

■家族との安否確認訓練 https://www.tokyo-cci.or.jp/survey/bcp/