〜経営に役立つ情報・事例を発信するサイト〜
powered by 東京商工会議所

補助金を活用したITツール導入のポイント

f:id:tosho-antenna:20210630163444j:plain


IT導入補助金はITツールを導入する際にもらえる補助金です。
テレワーク系の助成金のように用途が限定されず、労働生産性高上に繋がる幅広いITツール導入に活用できるのが魅力です。

種類がA~D類型と分かれており、補助率等も異なっています。
特に、C・D類型は低感染型ビジネス枠と呼ばれる特別枠であり、通常枠(A・B類型)と比べて補助率や補助対象が拡充していますので、申請の際は検討することをおススメします。

その他、詳細内容はIT導入補助金事務局のWEBサイト、公募要領、申請の手引き、を確認ください。

■ IT導入補助金2021 https://www.it-hojo.jp/


本コラムでは活用ポイント、申請ポイント、IT化で失敗しないポイント、を記載します。

IT導入補助金のメリット、デメリット

IT導入補助金は幅広いITツールの導入が可能ですが、良いことばかりではありません。
メリット、デメリットがあります。

<メリット>

  • ITツールには、ソフトウェアのみでなくサービス(役務)も含めることが出来る。
    具体的には、コンサルティング、導入設定、マニュアル作成、導入研修、保守サポート、ハードウェアレンタル、等を含めることが可能

<デメリット>

  • 補助金は、登録されているIT企業、ITツール、だけしか使えない
  • 補助金事務局のWEBサイトから希望のITツールを探し出すのが難しい

ITツールの検索は、補助金事務局WEBサイトの「IT導入支援事業者・ITツール検索」からします。
ITツールの選定に迷う場合は公的機関に相談し、専門家の助言を受けながら探す方法も良いと思います。

ITツールを選定する際は、以下のようにエクセル等で複数社のITツールを比較して検討する方法が良いでしょう。
自社の状況に適したIT導入方法を検討していきましょう。


■ ITツール比較表(例)

f:id:tosho-antenna:20210630121703p:plain

補助金申請のポイント

IT導入補助金の審査項目は公募要領に記載されており、主に以下の通りです。
これらを満たせるような交付申請書を作成することが重要です。

  ● 経営課題を理解し、経営改善に向けた具体的な問題意識を持っているか
  ● 改善すべきプロセスが、ITツールの機能の効果とマッチしているか
  ● データ連携をする取組みか
  ● クラウド、インボイスに該当するITツールか
  ● 計画数値(労働生産性の向上)が目標と同等以上の数値となっているか


IT導入補助金の交付申請は電子申請であり、WEBの画面で以下のような質問に答えていく方式になっています。

f:id:tosho-antenna:20210630105314p:plain



質問項目は以下の通りです。

  1. 経営状況:経営理念・経営ビジョン、経営意欲
  2. 事業:強み、弱み、ITツール投資/活用の状況(IT投資)、ITツール投資/活用の状況(活用の状況)、どのようなプロセスに対してIT投資を行ったか、セキュリティの状況
  3. 企業を取り巻く環境・関係者:市場動向/規模/シェア、顧客リピート/新規顧客、支援機関
  4. 内部管理体制:情報共有体制、情報管理/品質管理、事業計画の有無、業務状況の把握、振り返り、業務プロセス全体の状況問題点、把握
  5. ビジネスプロセスの改善に向けて:補助金でもっとも改善したい業務プロセス、強化したい部門・業務内容(期待効果)、どんな効果を期待(期待効果)、事業をどのように変えていく(将来目標)、社内での実現強化したいデータ連携、社外とのデータ連携


以下の図はこれらの交付申請の質問項目をまとめたものです。
交付申請での記載内容と、選択するITツールや計画数値との一貫性が重要になります。
赤枠はフリー記入が可能な質問項目です。文書が入力できるので自社の具体的な内容を記載しましょう。

f:id:tosho-antenna:20210630105717p:plain

 

失敗しないITツールの導入ポイント

なんとなく「ITツールを導入」すると失敗する可能性が高くなります。
成果を出すには以下の点に注意しておく必要があります。

  ● IT導入の目的を明確にする   
  ● 業務に合ったIT導入をする   
  ● 従業員が使えるようにする


その為には、以下の取組みを検討してみてはいかがでしょうか?

ロジックツリーで「目標」から「取組み内容」までロジカルに検討する

IT化を成功させるには目的を明確にしておくことが重要です。その為に目標から取り組み内容までをロジカルに考えておくことが有効です。
その一つとして以下のようなロジックツリーを活用し検討する方法があります。

f:id:tosho-antenna:20210630105933p:plain



目標は数値目標が良いでしょう。
KSFはKey Success Factorの略で、目標達成の重要成功要因です。KPIはKey Performance Indicatorの略で重要業績評価指標です。

業務棚卸から効率化を検討する

IT化の前に、社内の業務を棚卸して時間や頻度を把握することが重要です。
そして最も効果が大きい業務のIT化を検討する等、効果的に実施していきます。

■ 業務棚卸表(例)

f:id:tosho-antenna:20210630110144p:plain

 

業務フロー図で業務分析する

IT化の前に、現状の業務の流れや問題点を把握することが重要です。そして、業務改善を検討し、その中で有効なIT化を検討します。
ITツールの導入を依頼するITベンダーや社内のメンバーと具体的にIT化の課題等について情報共有するための資料として業務フロー図を活用するのも良いと思います。

■ 業務フロー図(例)

f:id:tosho-antenna:20210630110330p:plain

 

役割分担表やマニュアル化で組織的なIT活用をする

ITツールを導入しても社員が使用できなければ意味がありません。
全社的に活用し成果を出していくためには、誰が、どの操作、を担当するか等の役割分担を事前に決めます。
また、操作マニュアルを整備することでPCが苦手な社員でも操作できるようにします。

■ 役割分担表(例)

f:id:tosho-antenna:20210630111026p:plain



操作マニュアルは画面を貼付け解説を入れることで簡単で分かりやすく作成する必要があります。

f:id:tosho-antenna:20210630111133p:plain



西川 智哉(にしかわ ともや)
【執筆者プロフィール】
西川 智哉(にしかわ ともや)

1978年生まれ、大学卒業後、製造会社、商社で勤務。営業、総務、企画で業務を経験。
補助金事務局の相談員、自治体の相談員を歴任、現在は経営コンサルタントとして、
中小企業等に対して年間400件超の相談及び案件対応。
企業サイドの視点でIT化・マーケティングを支援し成果を上げている。

BTIコンサルティング事務所 代表
中小企業診断士、ITコーディネータ、上級ウェブ解析士
東京商工会議所BSD東京北コーディネーター

 

はじめてIT活用1万社プロジェクト

東京商工会議所では「はじめてIT活用1万社プロジェクト」を実施しています。

本プロジェクトは、中小企業のIT活用を総合的に支援するため、東商の強みである“現場力”、“ネットワーク力”を活かし中小・小規模事業者1万社にアプローチするものです。

具体的には、IT活用に関するご相談を当プロジェクトホームページや支部窓口などで承っているほか、今ご覧のオンラインセミナーをはじめ、中小企業のIT活用に資する情報提供も積極的に行っています。

詳しい情報は当プロジェクトホームページに記載がございますので、お時間があるときにぜひご覧ください。

f:id:tosho-antenna:20210630152824p:plain

URL https://www.tokyo-cci.or.jp/hajimete-it/