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ビタミンCは、私たちに最もなじみ深いビタミンの1つ。
あめやタブレットなどの表示で目にすると、つい購入してしまうという人もいるでしょう。
ウイルスやストレスから身を守るビタミン
歯茎や皮下などから出血を起こす「壊血病(ビタミンC欠乏症)」という病気の予防研究から発見されたのが、ビタミンC。肌の細胞間をつなぐコラーゲンの生成を促したり、メラニン色素の合成を抑えたりするため、美肌ビタミンとしても知られています。
また、ビタミンCは強い抗酸化作用をもち、動脈硬化を予防し、体の免疫力を高めてがんやウイルス感染症のリスクも減らすとされています。昔から、かぜ予防にはみかんやレモンがよいとされてきたのも、納得でしょう。
喫煙やアルコールの摂取はビタミンCを多く消費するので、たばこを吸う人やお酒を飲む人は、特に意識して摂取する必要があります。
また、ビタミンCは、体がストレスに対抗する際にも、多く使われます。精神的にストレスを感じているときや、暑さや寒さで肉体的なストレスを受ける真夏や真冬にも、多めの摂取を心がけてください。
体に蓄えられないので毎食摂取を
これほど大切なビタミンにもかかわらず、人間や猿、モルモットなどは、ビタミンCを体内でつくり出すことができず、食べ物から摂取しなくてはなりません。
ビタミンCを多く含むのは、野菜や果物。赤ピーマンや菜の花、ブロッコリーなど緑黄色野菜に豊富です。レモンやキウイフルーツ、いちごや柿などの果物や、じゃがいもやさつまいもなどのいも類にも多く含まれています。
ただし、ビタミンCは水溶性で水に流れ出してしまううえ、保存や加熱の過程で失われていくので、新鮮なものを短時間で調理して食べることが大事です。
その点、いも類のビタミンCは加熱してもでんぷんで保護されているため壊れにくく、効率的に摂取できるのでお勧めです。
ビタミンCは、水溶性なので過剰摂取による健康障害のおそれはありませんが、体内に長くとどまることができないので、朝食でたっぷり果物を食べたからと安心せず、3食それぞれできちんととるよう努めてください。
※このコラムは、執筆時点での情報に基づき作成しております(執筆年月日:2018年5月16日)。
女子栄養大学短期大学部教授
1994年女子栄養大学大学院修了。女子栄養大学短期大学部助手、女子栄養大学栄養クリニック、女子栄養大学短期大学部助教授を経て、現職。
管理栄養士。専門は栄養学。
日本人に合った健康的な食生活をわかりやすく解説。
学生への指導のかたわら、テレビ、ウェブなどでも活躍中。
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