写真提供:NHK
熱き心で挑戦を続けた東商初代会頭・渋沢栄一の生涯を描く
大河ドラマ『青天を衝け』 特別インタビュー
東商の初代会頭・渋沢栄一翁が主人公の大河ドラマ『青天を衝け』。物語は栄一の青年時代に突入し、幼なじみの千代を妻にした栄一は時代の荒波へとこぎ出します。栄一の人となりに心酔するという、千代役・橋本愛さんにお話を伺いました。
はしもと・あい
熊本県出身。『いだてん』、『西郷どん』に続き大河ドラマ出演は本作で3作目。発売中の『筒美京平SONG BOOK』にて「木綿のハンカチーフ」を歌唱。
渋沢栄一さんという方をとても尊敬しています。商才にたけ、一心不乱に、お金儲けを極める人生を送ったとしてもなんら不思議はないほどなのに、彼は決して自分だけの利益追求に偏ることはありませんでした。何よりも仁徳(じんとく)を重んじてビジネスを成り立たせます。
私はこれまで、仁徳とビジネスは相いれないものだと思っていました。渋沢さんご自身、お年を召されてからも、その両立は非常に難しいと言われています。ということは、人生を懸けてずっとその両立、つまり仁徳とビジネス双方を成功させようと尽力していた方だと思うのです。これほどの経営手腕がありながらも、常に生き様や想い、人の心を重んじて、仁徳と利益追求の両立に人生を懸けてきた方だということが、私にとっては理想の人。人はこうあるべきだと共感します。
ドラマのせりふでもある「みんながうれしいのがいちばん」は、栄一さんが幼い頃に母から受けた教えで、栄一さんの芯にある想いのひとつです。その言葉を胸に、周りの人のために自らの才能を惜しみなく使うところに感じ入ります。芸術の世界では多く見られることですが、そういう意味で尊敬する偉人がビジネスや経済の分野においても過去に存在していたと知り、だったらきっと現代にも存在しているのかもしれないという希望が見えるようでうれしくなります。
そんな渋沢栄一さんを、吉沢亮さんがどんなふうに演じるのかはすごく楽しみにしていたことでした。実際に面と向かってお芝居してみると、とても明るくはつらつとして、“色彩豊か”と表現したくなるほど表情が印象的です。見ていて飽きないというか、視聴者の皆さんが、栄一さんを見ているだけでも楽しめるようなドラマになるかもしれないと感じました。

ークリエイターでもある橋本さんが、撮影の現場で印象的だったことは?
丁寧なものづくりです。演出チーフの黒崎博さんが、ほかの演出担当のときもずっとついてくれるのですが、役の心を的確につかんでいて、演じる側には心の支えになっています。大河ドラマというと撮影量も膨大です。流れるように撮ってしまおうと思えば、撮れてしまえるのでしょうけど、決してそうはなりません。効率ではなく、「そこに何が映っているか」ということに集中して撮影しています。そういう丁寧なものづくりの現場に出会えて、心が豊かになるようで幸せだと感じます。
私の演じる千代(栄一の幼なじみの従妹でのちの妻)は、とてもやわらかで可愛く、みんなに愛される女の子です。千代も栄一さんと同じ考え方をする人で、幼い頃から「周りの人が喜ぶことをしたい」、「周りの人のために生きたい」という想いを持っています。だからこそ栄一さんと共鳴したんでしょうね。そして、周りの人を幸せにするなら、自分も幸せでなくてはいけないと知っています。栄一さんと家族になり、一緒にたくましく成長していく様を見守っていただけるとうれしいです。
■ストーリー
幕末から明治を駆け抜けた実業家・渋沢栄一。農家に生まれた栄一は、幕末の動乱期に尊王攘夷思想に傾倒する。
しかし、最後の将軍・徳川慶喜との出会いで人生が転換。やがて日本の近代化に向けて奔走していく…
■主演:吉沢亮 作:大森美香 音楽:佐藤直紀 題字:杉本博司
■放送予定 毎週日曜日 総合 午後8時/ BSプレミアム・BS4K 午後6時
(再放送) 毎週土曜日 総合 午後1時5分
大河ドラマ『青天を衝け』公式サイト https://www.nhk.or.jp/seiten/
※本インタビューは、東商新聞4月20日号(6面)に掲載されています。
紙面でもぜひご覧ください!
<この記事に関連するサイト>
渋沢栄一 特設サイト|東京商工会議所
https://www.tokyo-cci.or.jp/shibusawa/
東商新聞デジタル版|東京商工会議所
https://www.tokyo-cci.or.jp/newspaper/