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オンライン商談を上手に取り入れて営業効率アップ【IT活用虎の巻】

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新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、ビジネスにおける様々な領域でオンライン化が進んでいます。
テレワークの導入が一気に進んだことにより、Web会議ツールを利用したオンラインによる会議が普及しました。また、展示会の開催が困難な状況が続いたことから、オンラインによる展示会も数多く開催されるようになりました。

同様に、営業活動においても訪問による商談が思ったように行えない状況が続いていることから、オンラインによる商談を実施する企業が非常に増えています
これまでの日本では、相手先に直接足を運び、顔を合わせて商談を行うことが重視されてきましたが、新型コロナウィルスによりリモートワークの実施が余儀なくされた結果、多くの企業でオンライン商談を取り入れざるを得なかったというのが実際のところでしょう。

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しかし、離れた場所にいる相手とインターネットを介して音声と映像のやり取りでコミュニケーションを図ることが当たり前のようになってきている現状を考えると、コロナウィルスが終息した後もオンライン商談は継続して実施されていく可能性が高いと思われます。
営業の効率化を図る上では、オンライン商談は非常に有効な手段になりますので、今後は、オンライン商談を自社の営業プロセスの中に上手にとり入れて営業の効率アップを進めていくことが、多くの中小企業においても重要になっていくことでしょう

本稿では、そのようなオンライン商談に関して理解を深めていただく為に、訪問による商談と比較した場合のメリット・デメリットや実施の際に利用するツール、オンライン商談を成功させる為のコツなどについて解説いたします。

 

オンライン商談とは

 

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オンライン商談とは、パソコンやスマートフォン、タブレットなどを利用して、直接対面することなくインターネットを通じて商談を行うことを表します。
画面を通して音声と映像によりコミュニケーションを実施する形になりますので、どこにいても商談を行うことが可能になります。

オンラインで商談を行うことは、日本よりも欧米の方が普及しています。
国土の広い米国やEU圏内で自由にビジネスが行える欧州においては、商談先が離れた場所にあることが多く移動に非常に時間がかかってしまうことから、必然的にオンライン商談が取り入れられ一般化しているものと思われます。

一方、日本では遠隔地であっても多くの場合、日帰りで移動ができてしまうこともあり、訪問による商談が当たり前と認識されてきた経緯があるように思われます。
それが、今回のコロナ禍によって一変し、訪問してもらうよりもオンラインで商談を行う方が感染リスクがないので安全、という認識に変わり、一気にオンライン商談が受け入れられるようになったという形です。

オンライン商談のメリット・デメリット

では、これまでとは異なる非対面で行うオンライン商談において、どのような内容がメリット・デメリットとして考えられるかというと、次のような点が挙げられます。

【オンライン商談のメリット】
  • 訪問や出張の為の移動時間や経費が不要になる
  • スケジュール調整が柔軟に行えるので、1日の商談件数を増やせる
  • 商圏に制限がなくなり、遠隔地へのアプロ―チも可能になる
  • 紙の資料が不要になる為、ペーパーレス化につながる
【オンライン商談のデメリット】
  • 相手の言葉や表情のニュアンスが読み取りづらく、感触が分かりにくい
  • 本題以外の話がしづらい為、相手との心理的な距離を縮めにくい
  • 現物を触ってもらうことができない
  • あまり長い時間ディスカッションができない


このように、オンライン商談を行うことのメリットは、営業活動の効率化につながるものが多く、主にコスト面での効果が期待できるものになります。
一方で、商談時におけるコミュニケーションという側面では、対面での商談と比較すると劣る点が多い為、対面よりもオンラインの方が商談の成果が期待できる、ということにはなりません。

その為、オンライン商談を推進していく際には、できるだけオンラインによる商談時のデメリットを最小化して商談の成果を確保しつつ、営業の業務効率を上げられるようにする、という視点をもつことが重要になってきます。

オンラインと対面、使い分けが重要

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加えて、オンライン商談と訪問による商談を上手く使い分けるという視点を持つことも重要になります。
自社の営業プロセスにおいてオンライン商談と対面商談の位置付けを明確にして、どの部分がオンライン化に適しているのかを明らかにすることが大事です。

これは、どのような事業を行われているかによって変わってくる為、一律に決められるものではありません。事業の性質や受注単価、受注までに要する期間や顧客との関係性などによって、オンライン化が適している領域というのは変わってきます

例えば、最初のアプローチでは訪問し、信頼関係を築いてからオンライン商談に移行した方が良い場合もあれば、逆に最初のアプローチはオンライン商談により効率的に行い、受注角度の高い商談のみ対面による営業に移行するという形をとる方が適している場合もあるでしょう。

また、オンライン商談は現状、全ての企業で受け入れられている訳ではありませんので、もしも相手側が「対面での商談でなければ応じない」というスタンスの場合には、無理にオンラインで完結させようとするのではなく柔軟に対応していくことも必要になってきます。

最初から全ての商談をオンライン化しようとせず、適宜オンラインと対面を使い分けを行うことで、営業の業務効率の向上と成果(=売上)の向上の両方を実現するように考えることが肝要です。

オンライン商談を行う為のツール

オンライン商談の際に利用されるツールには、主に社内の会議用途に開発されているWeb会議ツールと、オンライン商談に特化して開発されているオンライン商談ツールの2つがあります。

両者には、音声と映像によるコミュニケーションを実現するという基本的な部分において大きな違いはありませんが、オンライン商談特化型のオンライン商談ツールでは商談がスムーズに行われるように設計されており、またWeb会議ツールにはない機能も幾つか付加されています。

特に、オンライン商談ツールには音声のやり取りは電話でも行えるようになっているものが多く、インターネット通信による映像のやり取りと組み合わせて利用することで、音声が乱れることなくスムーズに商談を行いやすいという特徴があります。

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一方で、Web会議ツールには無料プランが用意されているものが多いのに対して、オンライン商談ツールは基本的に有料での利用が前提となります。
その為、先ずはオンライン商談ツールでしか提供されていない機能が自社にとって必要かどうかを検討した上で、利用するツールを選択されると良いでしょう。

オンライン商談に利用されることの多いWeb会議ツールとオンライン商談ツールの一例を、以下に記載します。

【Web会議ツール】
  • Zoomミーティング
  • Google Meet
  • Microsoft Teams
  • Cisco Webex Meetings

【オンライン商談ツール】
  • ベルフェイス
  • B-Room
  • V-cube セールスプラス
  • Mee2box

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オンライン商談を上手に行うコツ

オンライン商談を上手に行う為には、対面の商談とは異なるコツや注意点があります。

【商談前の準備】

商談時間は、対面の場合の1/2~2/3程度の時間で行うことを想定

画面を見ながら行うオンライン商談は、対面での商談よりも時間が長く感じられやすいです。その為、実際の商談時間として対面で商談を行う場合の半分程度の時間を想定しておくことが重要です。
その時間に合わせて、商談の内容や進め方を検討しておきます。


話す内容やヒアリング項目、説明資料などをあらかじめ準備

オンライン商談の場合、商談時間が対面での商談よりも短くなる可能性が高いことを踏まえて、商談時に必ず話すべき内容やヒアリングすべき項目をあらかじめ書き出しておくと良いです。
また、画面共有をして説明することを想定した説明資料を事前に準備します。


【印象を良くする為の環境整備】

安定した通信環境を用意

インターネットへの接続速度が遅いと、音声が途切れる、映像が固まってしまう、などのトラブルが発生しがちです。
安定した接続を確保する為には、10Mbps以上の速度が確保できるインターネット回線を用意できると良いでしょう。

会議室やブースなど、できるだけ静かな場所を用意

雑音が入ると、相手側に声がちゃんと届かず話に集中できなくなります。
騒音の聞こえる場所や他に人がいる部屋などはできるだけ避け、会議室やブースなど落ち着いて商談が進められる場所を利用します。

白色のライトや自然光を取り入れるなど照明を調整

室内が暗かったり逆光になっていたりすると、顔が暗く表示されてしまい印象が悪くなってしまいます。
白色のライトや自然光が当たるようにするなど、できるだけ顔が明るく表示されるように照明を調整します。

目線とカメラの位置合わせ
ノートパソコンに内蔵されているWebカメラを使う場合、Webカメラと目線の高さに大きな差が生まれてしまい「上から目線」になりがちです。
台などの上にノートパソコンを置いて、Webカメラと目線の高さをできるだけ近づけるようにします。

【商談時の留意点】

いきなり商談に入らない

いきなり本題に入ると相手がリラックスしていない状態のまま話が進むことになり、相手との心理的な距離が縮まりません。
自己紹介や自社の説明などを丁寧に行うことで、商談しやすい雰囲気を作るようにします。

話すスピードや間合いのとり方に注意

オンラインでの会話は対面よりも話し声が聞き取りにくいことが多い為、対面よりもゆっくりとしたスピードで話すようにします。
また、声がかぶると音が消えてしまい話の内容が分からなくなりますので、声かぶりしないように相手が話し終わるのを必ず待つようにするとともに、相手の声に相槌をかぶせないように注意します。

うなずきやボディアクションはオーバーに

オンラインによる商談ではこちら側の反応が相手側に伝わりづらいので、普段よりも大きめにうなずいたり、ややオーバーにアクションしたりするようにします。

相手の反応を確認しながら進行

オンラインによる商談では、対面よりも相手の表情や会話からうまく感情が読み取れない為、一方的に話をしてしまいがちです。
意識的に質問を行うようにして、相手の反応を確認しながら商談を進めるようにします。

【商談実施後のフォロー】

オンライン商談後は当日中にフォローメールを送付

記憶が新鮮な当日中に時間を作ってもらったことのお礼を伝えるとともに、今後のアクションや期日などを記載して送付します。

確認事項や持ち帰りの課題は迅速に回答

商談時に約束した確認事項や持ち帰りの課題、検討事項は、できる限り迅速に回答することが重要です。

まとめ

コロナの影響により、社内の会議がオンラインで行われることに多くの人が慣れて、抵抗がなくなってきたのと同様に、社外との商談についてもオンラインで行われることに対して抵抗がなくなり、一般化していくことが予想されます。
オンライン商談を実施していくことは営業の業務効率化を図る上で極めて重要ですが、進め方を間違えると業務の効率化は実現できたものの営業の生産性が上がらない(=売上が減少)ということにもなりかねません。

そうならない為にも、自社の置かれている状況を踏まえた上で、営業プロセスのどの部分をオンラインで実施することが最適かを検討し、実行に移していくことが重要です
あくまでも業務効率の向上と売上向上の両方を実現する為にはどうすれば良いかという視点に立った上で、その実行手段の1つとしてオンライン商談を上手に取り入れるようにして下さい。

 

【執筆者プロフィール】
松本 年史

KSFコンサルティング 代表
https://www.facebook.com/KFScns/

約15年間にわたり主に外資系IT企業において新規開拓営業に従事した後、経営コンサルタントとして独立。独立前の10年間はデータ分析ソフトウェア(BI/BA)の導入を通じて、顧客企業の意思決定システムやマーケティング自動化システムの構築支援に携わる。
独立後は、ITコーディネータ/中小企業診断士として中小企業を中心にコンサルティングを提供。Webマーケティングを含むマーケティング戦略の立案から営業支援まで、顧客企業の売上拡大に向けた取組みを幅広く支援している。
2016年4月より、東京商工会議所のWeb戦略パートナーとして活動中。

 <この記事に関連するサイト>
はじめてIT活用|東京商工会議所
https://www.tokyo-cci.or.jp/hajimete-it/