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働き方の新しいスタイルにおける「こころの健康」を保つコツ 最終回【「こころの健康」を保つコツのポイントまとめ】

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ー産業医から元気に働くためのアドバイスー

現在、新型コロナウイルス感染対策の中で、新しい働き方における健康を保つための工夫がよりいっそう大切になってきています。
そこで、東京商工会議所では、計8回(コラム7回+まとめ1回)にわたって、働き方の新しいスタイルにおける「こころの健康」を保つコツについてご紹介していきます。

※本記事は、日頃から人事・総務担当者や管理職、労働者からの様々な相談に対応されているヘルスデザイン株式会社の坂本先生(産業医・労働衛生コンサルタント)に執筆にご協力いただいています。


この連載では、新しい働き方である在宅勤務下での、「こころの健康」を保つコツについてご紹介しています。今回が最終回です!

一緒に今までの総まとめとしてポイントを確認して行きましょう。
詳細は、今までの連載を確認いただければと思います。

※働き方の新しいスタイルにおける「こころの健康」を保つコツ 記事一覧はこちら
「こころの健康」を保つコツ カテゴリーの記事一覧 - tosho-antenna  

 

1. 在宅勤務中のコミュニケーションを改善するコツ

ーチームメンバーの悩みー

「同僚の状況が分からない、相談したいときに気軽に話しかけづらい、一人で黙々と仕事をしていて気が滅入る、モチベーションの維持が難しい、疎外感を感じる」などといった、コミュニケーションに関する課題があります。
在宅勤務中のコミュニケーションをどのように行えば良いでしょうか?

【解決策の一案】

  • 職場の同僚がお互いに、「コミュニケーションを取りたいけども、漠然と取りづらい感じがする」と思っているケースが多いように思います。
    在宅勤務ならではの新しいコミュニケーションスタイルに慣れて、仕事を抱え込みすぎることなく、ストレスを溜めることなく勤務していくことが大切です。
  • メール、チャット、電話、オンラインミーティングなど、それぞれのコミュニケーションツールの特性を生かして、使っていきましょう。
  • オンラインミーティングでは、必要に応じてカメラをONにする時間を設けて、チームメンバーの様子をお互いに確認してみましょう。
    ただし、リモートハラスメントと言われているように、カメラのONを強要することは慎みましょう。
    ※オンラインミーティングの例:
    朝礼や夕礼といった定期的な会合、雑談に特化した時間、オンラインランチ会の開催などがあります。
  • 気軽に相談したい時はチャットを使って、内容の履歴を残したい時はメールを使いましょう。
  • チームの予定表に、管理職は「相談OK」の時間を表記して、部下が気軽に相談できる環境を作りましょう。


皆様の職場でも、在宅勤務中のコミュニケーションを円滑に図るために、様々な工夫を凝らしながら、チームワークを維持して行きましょう!

2. 生活リズムや体調を保つコツ

ーチームメンバーの悩みー

「通勤しなくてよいことから、生活時間のゆとりができた。しかし、在宅勤務だと仕事のオンオフを付けづらい、生活リズムが乱れてしまう。また、在宅勤務の環境が整っていないことがストレスに感じる。」
このような生活リズムの乱れなどをどのように整えていけば良いでしょうか?

【解決策の一案】

  • いつも通りの時刻に起床就寝をしよう。
    同じ時間に起床して、太陽の光を浴びることで、生活リズムが整います。
  • 朝食をしっかりと食べて、心と体を目覚めさせましょう。
  • 在宅勤務でも仕事モードの服装に着替えたり、始業前や終業後にウォーキングをしたり、仕事が終わったらパソコンを片付けることなどで、仕事のオンオフを切り替えよう
  • 定期的な運動を行うことで、運動不足の解消を図り、良い睡眠にもつなげよう。
  • 仕事中は、一定時間ごとにアラームをかけて、小休止を適宜とりましょう。
    時間を区切って仕事をすることで集中力が増し、疲労の蓄積も予防できます。
  • 生活時間にゆとりができて、自宅で飲酒をする機会が増えた方もいるかもしれません。
    ただし、寝るためにお酒を飲むことは禁物です。お酒によって、睡眠が浅くなり、生活リズムが乱れてしまいます。お酒はほどほどに!
  • 呼吸法や筋弛緩法、マインドフルネスなどのセルフケアによって、自律神経を整えていこう(第6回目 参照)。
  • 在宅勤務の時間が長い方は、必要に応じて机や椅子を新調したり、大きなモニターを用意したり(テレビで代用する人もいます)、Wi-fi環境を整えることなどを検討してみてください。


以上のように、在宅勤務の中で、自分に合ったやり方で、生活リズムや自分の健康状態、仕事する在宅環境を整えていきましょう!

3. 体調を崩した部下の対応のコツ

ー管理職の悩みー

「在宅勤務中の部下の体調を確認することが難しいです。部下の調子が悪い時に、気づくのが遅れてしまうのではないかと心配です。」
管理職は、在宅勤務中の部下のケア(ラインケア)をどのように行えば良いでしょうか?

【解決策の一案】

  • 業務進捗に遅れがないか、報告・連絡・相談ができているかを確認しましょう。
  • もし勤怠不良や体調に心配な部下がいた場合
    ・プライバシーに配慮して、1対1で声をかけます。
    ・話を聞く際には、傾聴し、助言を焦らないようにします。
     確認ポイントの例:よく眠れている?、食事は摂れている?、体調は大丈夫?、休息できている?、困りごとはない?など。管理職として「いつでも相談してほしい」というメッセージも添えましょう。
  • 部下の対応において、管理職自身で解決することが難しい場合は、管理職自身も相談事を抱え込みすぎないことが大切です。
    ・相談を受けた情報の取り扱いに注意をして、上司、人事、産業医や保健師などに情報連携を図っていきます。
    ・心配であれば、医療機関の受診も検討します。受診を戸惑う方もいますが、「念のために、今の辛い状態をよくするために、一度専門家に相談してみては?」などのように優しく誘導してあげてください。

 

在宅勤務の中で、何らかのストレスがかかり、健康状態を崩す方はゼロでは無いかもしれません。
体調不良者への対応の基本を知っておくことで、早期発見と早期対応に努めていただければと思います。


以上、総まとめとして在宅勤務中の「こころの健康」を保つポイントについて確認しました。
すぐには実践できなくても、少しずつできることから始めていければと期待しております。
これからも皆さんで力を合わせて、健康を保って元気に働いていきましょう!

全8回にわたり、在宅勤務中の「こころの健康」を保つコツについてご紹介をしてきました。
在宅勤務が進む中ではありますが、コロナ禍の中ですので、まだまだストレスや不安が多くある情勢だと思います。
この新しい働き方と生活スタイルに関して、皆さんで力を合わせて乗り越えて、健康を保って元気に働いていくことができればと心より願っております。

私は産業医として、主に小規模・中小企業での健康管理を行っていますので、「体調不良の社員にどう対応すれば良い?、社内の健康管理体制を整えたい」等、なにかあればお気軽にご相談いただければ幸いです。

それでは、最後までお付き合いいただきまして誠にありがとうございました、心より御礼申し上げます。
またいつかお会いいたしましょう!!!

 

坂本 宣明
【執筆者プロフィール】
坂本 宣明

産業医科大学を卒業し、臨床医の経験と専属産業医(製造業)の経験を生かして、より多くの中小企業で働く方々の健康を支援するために、様々な業種や規模の嘱託産業医として活動している。
活動内容は産業医業務に加えて、小規模企業でも健診結果の確認や教育セミナーを開催し、健康管理を行っている。専門は中小企業での健康支援と産業保健マーケティング。

日本産業衛生学会評議員、日本産業ストレス学会理事、さんぽ会幹事。
資格:産業医(指導医)、公衆衛生学修士、博士(医学)、労働衛生コンサルタント(保健衛生)、健康経営エキスパートアドバイザー

ヘルスデザイン株式会社
https://health-d.co.jp/corporate/

<この記事に関連するサイト>
健康経営倶楽部|東京商工会議所
https://www.tokyo-cci.or.jp/kenkokeiei-club/