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働き方の新しいスタイルにおける「こころの健康」を保つコツ 第5回【在宅勤務でのセルフケアのポイント(1)】

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ー産業医から元気に働くためのアドバイスー

現在、新型コロナウイルス感染対策の中で、新しい働き方における健康を保つための工夫がよりいっそう大切になってきています。
そこで、東京商工会議所では、計7回にわたって、働き方の新しいスタイルにおける「こころの健康」を保つコツについてご紹介していきます。

※本記事は、日頃から人事・総務担当者や管理職、労働者からの様々な相談に対応されているヘルスデザイン株式会社の坂本先生(産業医・労働衛生コンサルタント)に執筆にご協力いただいています。


前回は、管理職による在宅勤務中の部下への対応ポイントと生活リズムを整えることの大切さについてご紹介しました。

※前回記事はこちら


在宅勤務が急速に進むなど働き方が変化した一方で、心身が疲れたり、漠然とした不調を感じやすい方もいらっしゃるかもしれません。
今回から次回にかけては、在宅勤務中でもできる、こころの健康を保つための「自分で体調を整える方法(セルフケア)」について、ご紹介します。

はじめに:「不調」という漢字の意味は?

セルフケアの話題の前に・・・健康状態が優れないという意味の「不調」という言葉の、「調」という漢字の意味を考えてみてください。

「しらべる」という意味の他に、調和や調節というように「ととのえる」という意味があります。
つまり、不調とは「ととのっていない」という意味になります。

心の不調を予防するためには、生活リズムや自律神経などをいかに「ととのえて」いくかが大切です。
それでは、様々な「ととのえる」という観点から、セルフケアを確認していきましょう。

生活リズム ー睡眠を整えるー

生活リズムを整えることは最も大切なことです。これは第4回  の後半部分ですでにご紹介していますので、確認してみてください。

生活リズムの中で、特に大切な「睡眠を整えるポイント」について、一緒に確認してみましょう。

朝起きたら太陽の光を浴びる

覚醒と睡眠のタイミングは、起床後に太陽の光を浴びることによって整っていきます。
在宅勤務だからといって家の中だけで過ごしていると、太陽光を浴びる機会も減って、寝る時刻が少しずつ遅れてしまう原因になります。
太陽の光を浴びて起床時刻を一定にしましょう。

適度な運動

運動することによって、寝つきが良くなり、睡眠の質が深くなります。
無理なく続けられるものがよいですね。
1回20分ほどの有酸素運動を週に数回行いましょう。
ただし、就寝直前の激しい運動は、入眠を妨げてしまいますのでご注意ください。

寝室環境

温度や湿度は、季節に応じて心地よいと感じられるように調整しましょう。
寝室の中では布団や寝衣を用いて就寝するため、適切な就寝室温は13~29度の範囲とされています(実生活では、この範囲の中で夏は高め、冬は低めの室温になります)。
また、明るく白い光は目を覚ます作用があるので、就寝前の照明が明るすぎないように調整してください。

入浴のタイミングと温度

良い睡眠のためには、寝る1-2時間前の入浴がおすすめです。
適切な時刻に40度程度の熱すぎないお湯で入浴することで、リラックス効果と深い睡眠が得られます。
一方で、寝る直前に42度以上のお風呂に入ると、体温上昇によって寝付きが悪くなってしまいます。

カフェインに注意

就寝4時間前以降のカフェイン摂取は寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなるので避けましょう。
カフェインはコーヒー、緑茶、紅茶、ココア、栄養ドリンク剤などに多く含まれています。

お酒はほどほどに

眠るための飲酒は逆効果です。睡眠の質が浅くなり、夜中の目覚めを増やしてしまいます。
さらに、睡眠時無呼吸症候群を引き起こすなど、さらに睡眠の質が低下してしまいます。
お酒は、寝るために飲むのではなく、適量を守って楽しく飲みましょう。

たばこは控えて

ニコチンは寝つきを悪くしたり、睡眠の質を低下させることがわかっています。
ニコチンの作用は1時間ほど続きますので、少なくとも就寝前の1時間前からは禁煙が必要です。

睡眠不足の解消には昼寝を

寝不足や午後の眠気が辛い方は、午後15時までの時刻に30分以内の短い昼寝をすると効果的です。
眠くて仕事に支障をきたしている方は昼寝を少し取ってみてはいかがでしょうか。

 

これらのポイントに加えて、次回お示しする呼吸法や筋弛緩法なども併せて取り入れてみると、さらに睡眠が整っていくと思います。


<アドバイス>
もし、眠れない、睡眠による休養感が得られず辛いという方がいましたら、こころがSOSを出しているかもしれません。ひとりで抱え込まずに専門家に相談しましょう。
詳しくは次号でご紹介します。


以上、在宅勤務中に行える、自分自身で体調を整える方法(セルフケア)について、生活リズム(睡眠)の観点からご紹介してきました。
次回(第6回)は、呼吸や姿勢、気持ち等を整えるといった観点からセルフケアをご紹介します。自分に合ったセルフケアの方法を見つけていきましょう。

<参考情報>
こころの耳 セルフケア
https://kokoro.mhlw.go.jp/selfcare/#5-1

睡眠のまとめ
https://health-d.co.jp/commentary/quality-of-sleep/
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html

健康づくりのための睡眠指針
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf

 

坂本 宣明
【執筆者プロフィール】
坂本 宣明

産業医科大学を卒業し、臨床医の経験と専属産業医(製造業)の経験を生かして、より多くの中小企業で働く方々の健康を支援するために、様々な業種や規模の嘱託産業医として活動している。
活動内容は産業医業務に加えて、小規模企業でも健診結果の確認や教育セミナーを開催し、健康管理を行っている。専門は中小企業での健康支援と産業保健マーケティング。

日本産業衛生学会評議員、日本産業ストレス学会理事、さんぽ会幹事。
資格:産業医(指導医)、公衆衛生学修士、博士(医学)、労働衛生コンサルタント(保健衛生)、健康経営エキスパートアドバイザー

ヘルスデザイン株式会社
https://health-d.co.jp/corporate/

<この記事に関連するサイト>
健康経営倶楽部|東京商工会議所
https://www.tokyo-cci.or.jp/kenkokeiei-club/