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非対面で行こう! 第2回〜ネットショップを始めよう

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1. お客様との非対面での接点を確保しておこう

4/7に緊急事態宣言が出されましたが、4/9に家族経営のお花屋さんから「ネットショップを作りたい」と相談を受けました。

以下で解説していきますが、ネットショップは、商品を掲載しただけで勝手に売れていくようなことはありません。
そのため、ご相談者には「売るための販売施策が色々と必要になるため、ネットショップを立ち上げてもすぐには売上になりませんよ」とお伝えしました。

しかし、それでもすぐに作りたいという強い要望がありました。お花屋さんにとって母の日がある5月は最大の稼ぎ時であったからです。

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このまま緊急事態が続けば、お客様は店舗に来ることができません。
「新規の顧客を獲得するのが難しいのはわかったが、せめて既存のお客様がネットで注文してくれるようにしたい!」ということで、その場で一緒にネットショップの立ち上げを行いました。

この時、利用したネットショップサービスは「BASE」(月額利用料0円、決済時6.6%+40円 2020年8月上旬時点)です。
操作の簡単さが売りのため、初期設定と商品登録の仕方をお花屋さんに伝えた結果、4月の末には、お花屋さん自らの手で無事にネットショップをオープンすることができました。

ネットショップのオープン後には、既存のお客様への連絡や、TwitterでのPRの効果もあり、5月の売上のうち20%はネットショップ経由で確保することができました。
もちろん、継続的に売れるかというと、そう甘いものでもありませんが、今回のような緊急事態に備えて、お客様との接点を実店舗以外にも持っておくことは必要でしょう
全てを非対面型に持っていく必要はありませんが、非対面でのお客様との接点を確保しておきましょう。

2. ネットショップ活用のメリット

改めてネットショップのメリット・デメリットを確認しますが、コロナ禍においてはユーザにとって、「お店に行く必要がない」という点が大きなメリットになりました。
さらにユーザにとって、ネットショップを使うデメリットはますます減少しています。
納期は短縮され、ホームページのデザインや使いやすさ、問い合せ機能が向上し、価格も下がっています。

一方で、事業者にとってはどうでしょうか。
新たな顧客の獲得の可能性はありますが、ネットはとかく弱者には厳しい世界です。
すぐに価格競争に巻き込まれますし、知名度のない事業者はいつまでも売上は上がりません。
ネットショップ全体の市場は向上し、EC化率(すべての商取引金額おけるインターネット市場規模の割合)も上昇することは間違いありませんが、中小企業がネットにお店を出店したからと言ってすぐに売上に結びつくわけではないのです。

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3. ネットショップを開設するには〜独自ショップがいいの? ショッピングモールがいいの?

それではネットショップを開設するには何を選べばいいのでしょうか。
ネットに不慣れな場合はまず、メルカリなどのフリーマーケットを利用して販売してみることをお勧めします。スマホで写真を撮影してすぐにでも出品が可能です。
ただ、消費者同士のフリーマーケットですので、ビジネスとして継続的に出品するのには不向きでしょう。

それ以外にも特定のテーマに特化したようなショップ・サービスも増えています。
例えば、ハンドメイド市場ではminne(ミンネ)、iichi(イイチ)、Creema(クリーマ)などがあります。ハンドメイドアーティストの職人として最初に出品するには向いています。
ただ、本格的にネットショップを始める場合には独自ショップか、YAHOOやアマゾンなどのショッピングモールを選択していくことになるでしょう。

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では、独自ショップとショッピングモールはどちらが良いのでしょうか?
ショッピングモールはとにかくたくさんのユーザがいます。たくさん売っていくにはショッピングモールの力が必要になります。
しかし、競合店舗もたくさんいますので、出店しても広告費をかけないと集客は難しいものです。
さらに来店するお客様はショッピングモールに来ているだけで、あなたのお店を目指して来ているケースは少ないです。
つまり自ショップ自体をブランディングしていくのはハードルが高いです。

一方で、独自ショップに来店されるお客様は、あなたのお店を目指してくる人ですので、自社ブランディングもモールよりは実施しやすいでしょう。
しかし、なんと言っても、わざわざあなたのお店に行きたいと思われる理由がない限り集客が難しいのが現実です。

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独自ショップかショッピングモールを選択する判断基準としては既に「販売計画が明確になっているか」が挙げられます。
たくさん商品を販売できる計画になっており、広告費も確保できるならショッピングモールを選ぶのも良いでしょう。
一方で、とりあえず出店したいものの、販売計画が見えず、広告費もかけられないなら地道に独自ショップで運営を進めていく方が良いでしょう。

4. ネットショップ開設に利用できる補助金

補助金については、前回の「テレワーク 」の記事  で紹介しました。
ネットショップにおいては、「IT導入補助金  」「小規模事業者持続化補助金  」の活用が考えられます。
ネットショップの構築による非対面型ビジネスモデルへの転換については、補助額や補助率の優遇があります。それぞれ締め切りも迫っていますので、期限内での申請をご検討ください。

5. 売上を上げていくために考えるべきこと

売上を上げるにはネットショップに③集客し、来訪したお客様を①接客して購入してもらい、②他の商品もついでに買ってもらい、④リピートしてもらうことが求められます。

それぞれの段階で必要な施策は異なってきます。
今実施している施策は集客のためなのか、成約率を高めるためなのか、リピートしてもらうためなのか分けて考えていきましょう。

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その中でも、①接客については最初に注力してほしいと思います。

ネットショップを作ると、ついつい③集客ばかりを考えがちです。しかし、実店舗をオープンしたときのことを思い出してください。
お店の陳列や接客の準備ができていない状態で集客をしても、お客様は商品を購入してくれません。
商品を並べただけでは売れないのは実店舗でもネットショップでも同じです。
それではネットショップでの接客とは何をすることでしょうか?

実店舗では、注目してほしい商品にPOPをつけたり、お客様に見つけてもらいやすい場所においたり、関連する商品を一緒に並べたりと、陳列や設備による接客を事前に準備しています。
さらに、店員がその場でお客様のニーズに応じて詳細な説明を行う人的接客を行います。

ネットショップでは、お客様が来訪してから接客することはできませんので、あらかじめ全ての準備が必要です。
具体的には、それぞれの商品ページでどのような順番で商品の写真や説明する文章を提示すべきか整理してみましょう。
いきなり商品機能の詳細を説明しても①成約には繋がりにくいです。お客様の興味を引き、より深く知ってもらって納得し、安心して買ってもらえる「流れ」を商品ページの中で作りたいです。

さらに②単価を高めるために、関連購買につながる商品を並べ、売れ筋商品ランキングを掲載するのもいいでしょう。

こういった①②の準備ができた後に、検索順位の向上、SNSの活用、広告の活用などで、③集客を行い、あわせて④お客様との関係を継続する、続客つまり、リピート率の向上の施策にも力を入れていきましょう。

6. 自分でできる!?

ネットショップは自分で(自社で)作ったほうがいいでしょうか?

チラシにしても、ホームページ、動画、ネットショップにしても外部(プロ)に頼んだほうが、見た目のいいものができあがりますが、成果につながるとは限りません。
売上を確保していくためには、自社の商品をどのように情報発信して、アピールしていくかを自社で決めなければなりません。

今後、ネットショップを始めたい事業者の皆さんは、まず安価なネットショップサービスを使って自分で作る体験をしてほしいと感じています。
ネットショップの仕組みを把握して、どのように運営していくか掴んだ上で、勝算が見込めれば、外部に頼むのがよいでしょう。

実店舗と同じく、他人任せにして勝手に売上が上がることはありません。
非対面型でビジネスを展開していくには何が求められるのか、ぜひ自分で手と頭を動かしつつチャレンジしてほしいです。

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とは言っても、自社で、自分でネットショップ作れるか心配な方は、東京商工会議所までご連絡ください。「はじめてのIT活用」のための相談ダイヤルを用意しています。ぜひお気軽にお電話、お問い合わせいただければと思います。

はじめてIT活用 URL    https://hajimete-it.org/

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村上 知也(むらかみ・ともや)
【執筆者プロフィール】
村上 知也(むらかみ・ともや)

株式会社にぎわい研究所 代表取締役

<略歴>
1973年大阪生まれ、2008年中小企業診断士登録。 IT企業に13年間勤務し、ITコンサルタントとして活躍。企業のIT化支援や、ホームページ、SNS活用といったWebマーケティング分野を得意としている。特に、小規模事業者向けに「なるべくお金をかけずに行う」集客や、「非対面型ビジネスモデルへの転換」に伴うIT活用の支援に取り組んでいる。 東京商工会議所 ビジネスサポートデスク東京東でIT相談員を務めている。

村上知也ホームページ https://london3.jp/