東京商工会議所では、中小企業の景況感を把握することを目的に、四半期ごとに「東商けいきょう調査」を実施しております。
今回、2020年7-9月期の集計結果をリリースしましたので、ポイントについてご紹介します。
中小企業の景況感・業績への影響
(東京商工会議所「東商けいきょう7-9月期」/回答数1,047社)
■東京の景況は改善するも、新型コロナウイルスの影響続く。先行き懸念強く、慎重な見通し。
○業況DIは前期比7.8ポイント改善の▲62.3となった。(業況DI=「好転」の回答割合 -「悪化」の回答割合)
2006年4-6月期の調査開始以来、2015年4-6月期の8.1ポイントに次ぐ伸び幅となったものの、「悪化」から「不変」への変化が主因であり、水準は前回調査の▲70.1に次ぐ水準に留まっている。
全業種で前期比プラスとなったのは2012年4-6月期以来。
〇業種別では、小売業が前期比18.9ポイント改善の▲52.5となった。
外出自粛に伴い遠方への移動を避け、地元での買い物が増加したほか、ネット通販が好調との声も聞かれた。
新型コロナウイルスによる経営への影響について
○新型コロナウイルスにより「影響が生じている」は前期比1.2ポイント増加の72.5%となり、「長期化すると影響が出る懸念がある」の23.2%を合計すると95.7%と前期同水準となった。
〇業種別に見ると、製造業では、「影響が生じている」が前期比7.2ポイント増加の78.0%となった。
一方、建設業では、「長期化すると影響が出る懸念がある」が前期比8.7ポイント増加の51.0%となり、今後着工する工事について打ち合わせの遅れが生じ、売上が減少しそうだとの声や、民間企業の設備投資が減少した影響で公共工事の入札参加者が急増し、厳しい価格競争になっているとの声も聞かれた。
<業種別>
■製造業
■建設業
■小売業
賃金の動向について
〇2020年度の正社員の賃金は、「賃上げを実施」が昨年度比20.8ポイント減少の36.2%となった。
業種別にみると、サービス業の減少幅が最も大きく、昨年度比28.6ポイント減少の28.7%となった。
一方で、「前年度と同水準(42.5%)」・「賃金を引き下げた(12.6%)」を合計した「賃上げを実施しなかった」が昨年度比28.8ポイント増加の55.1%となった。
〇賃上げを実施した企業に、賃金を決定するうえで基準となる業績の動向を聞くと、「悪化している」が44.1%と最も高く、次いで「横ばい」が38.8%となった。
最後に
東京商工会議所では、企業の皆さまの声をもとに、国や東京都に対して要望活動を行っています。
今後も、企業の実態を踏まえた要望活動を行ってまいりますので、ご意見がございましたら、下記リンクからお寄せください。
<「東商けいきょう」調査結果の詳細はこちら>
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1022921
<東京商工会議所の「意見・要望書」一覧はこちら>
https://www.tokyo-cci.or.jp/president/proposal/
<ご意見はこちらからお寄せください>
https://www.tokyo-cci.or.jp/covid-19/opinion/