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働き方の新しいスタイルにおける「こころの健康」を保つコツ 第1回【新しい働き方での健康課題~10,000件の回答から見えてきたもの~】

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ー産業医から元気に働くためのアドバイスー

現在、新型コロナウイルス感染対策の中で、新しい働き方における健康を保つための工夫がよりいっそう大切になってきています。
そこで、東京商工会議所では、計7回にわたって、働き方の新しいスタイルにおける「こころの健康」を保つコツについてご紹介していきます。

※本記事は、日頃から人事・総務担当者や管理職、労働者からの様々な相談に対応されているヘルスデザイン株式会社の坂本先生(産業医・労働衛生コンサルタント)に執筆にご協力いただいています。


第1回は、新しい働き方において、特徴的なテレワーク(在宅勤務)での健康課題とその解決に向けたヒントです。
私たちは、2020年4月に、産業医・保健師として健康管理を担当している企業様に「在宅勤務での困りごととその工夫」に関する調査を行いました。
そして14社、1,103人の労働者から述べ10,024件の回答を得ることができました。

その中から、代表的な3つの課題と解決のヒントを取り上げます。

課題その1:業務の進め方が変わったことへの戸惑い

 ・他部署の状況が見えづらいので業務把握が難しくなった
 ・メールのやりとりが増えたので繁忙感が増した
 ・業務が計画通り進まなくなった
 ・在宅では実験や実機が取り扱えない

このような業務上ストレスを感じているようです。

■ 解決のヒント
(1)withコロナでは、誰もが先行きの見えない状況です。仕事の進捗が芳しくないことによって自分を責め過ぎてはいませんか?
「仕事ができていないのは自分のせいだ」という認知の歪みが起きていないかどうかに気を付けてみましょう(これは認知行動療法と呼ばれており、第5回にご紹介します)。

(2)普段から仕事を抱え込みすぎないように上司や同僚に相談するようにしましょう
健康状態に困りごとがあれば、早めに上司や、産業医・保健師などの専門家に相談することが大切です。

(3)管理職は在宅勤務で働く部下の状況を確認する工夫が必要になってきます。
この方法については第2回で深掘りしていきます。

課題その2:生活リズム(仕事リズム)が作りづらい、睡眠の乱れ

在宅勤務では、

 ・休憩がうまく取れない
 ・仕事のオンオフがつけられない、そのため夜や休日に仕事をしてしまう

このように仕事リズムを作りづらい人が出てきています。
また、起床や就寝といった睡眠リズムも乱れやすいため注意が必要です。
これらのリズムの狂いは、疲労の蓄積につながり、こころの健康にも影響してきます。

■ 解決のヒント
(1)生活リズムを保つことはこころの健康の基本です。
そのためには、いつも通りの時刻に起床就寝をする、普段の出勤通りに着替えを行う、始業前や終業後に散歩をする、小休止の目安となるアラームをセットする、仕事が終わったらPCは片付けるなどの工夫をして、自分なりの生活リズムを作っていきます。

(2)良質な睡眠をとるための工夫は、第4回以降に詳しくご紹介します。

課題その3:自宅環境が仕事に適していない

在宅勤務が急に始まったことによって、

 ・自宅にPC作業に適した机や椅子がない、そのために肩こりや腰痛が辛い
 ・家族も在宅勤務であったり、子どもが家にいるので仕事に集中できない

など、身体の不調やストレスを訴えるケースもあるようです。

このように仕事をする環境が整わないと疲労の蓄積や精神的ストレスにつながってしまいます。

■ 解決のヒント
(1)作業環境を整えるために、机や椅子、PC周辺機器を整え、作業の姿勢も見直していきましょう
さらに肩こりの改善運動や、腰痛予防の運動を行いましょう。
運動をすることによって心身の健康も整ってきます。

<参考リンク>
・作業姿勢、簡単なストレッチの例(ヘルスデザイン株式会社)
http://health-d.co.jp/commentary/workposture_stretch/

・肩こりの予防(YouTube/ARROW,Inc. 代表取締役 阿藤 貴史 氏(現役格闘技選手・理学療法士))
https://www.youtube.com/watch?v=J2LaYeORfgk&feature=youtu.be

・腰痛の予防(東京大学医学部附属病院22世紀医療センター)
https://lbp4u.com/koredake/


(2)在宅勤務では家族と居住空間をうまく使い分けられないかを考えてみます。
ダイニングテーブルを仕事の机に活用するのも一考です。
また、在宅勤務は家族と一緒に居られる幸せな時間と考え方を捉え直すこともよいですね。
オンラインの最中に、子供が写っても今のご時世ではお互い様で、微笑ましいことでもあると思います。


以上、3つの課題とその解決のヒントを挙げました。
在宅勤務に関する困りごととその対策は、これ以外にもまだまだたくさんあります。
冒頭でご紹介した、ヘルスデザイン社が取りまとめた在宅勤務中の困りごとと対策のアイデア集をご参考にしてみてください。

■ 皆様による 在宅勤務の“アイデア集”(ヘルスデザイン株式会社)
http://health-d.co.jp/commentary/telework-idea202005/


次回は、職場の課題に注目して、職場でのコミュニケーション、チームワークづくりに関するコツについてご紹介していきます。

 

【執筆者】
坂本 宣明

産業医、労働衛生コンサルタント、博士(医学)
ヘルスデザイン株式会社 http://health-d.co.jp/corporate/

 

<この記事に関連するサイト>
健康経営倶楽部|東京商工会議所
https://www.tokyo-cci.or.jp/kenkokeiei-club/