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DX、はじめの一歩はここから!【東商ICTスクエアお役立ちコラム】

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DX(デジタルトランスフォーメーション)
が、今ビジネスの場でトレンドとなっている言葉の一つです。
しかしこの「ビジネストランスフォーメーション」について、どういうことなのか、今までのIT化やデジタル化とどう違うのかを具体的にイメージできるという方は多くないのではないでしょうか。

ビジネストランスフォーメーション」という概念は、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」として、2004年にスウェーデンのウメオ大学エリック・ストルターマン教授が提唱しています。
ただ、これだけでは具体的なイメージはつかめないですね。それでは、2018年に経済産業省にて策定された「DXを推進するための新たなデジタル技術の活用とレガシーシステム刷新に関するガイドライン」いわゆる「DX推進システムガイドライン」での定義を見てみましょう。

「DX推進システムガイドライン」での定義
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。それによって企業として安定した収益を得られるような仕組みを作ること」


少しイメージできますでしょうか。
DXについてさらに理解を深めるために具体的な事例を見ていきましょう。

DXの事例

それでは、具体的にDXの事例としてはどのようなものがあるでしょうか。
身近な例として、音楽の販売における変遷を見ていきましょう。

数十年前、音楽はレコードや磁気テープに記録され実店舗で販売されるのが普通でした。
その後音楽を記録する方式がデジタルになり、記録媒体がレコードや磁気テープからCDとなるに伴い、販売ではなくレンタルという形態が広まっていきました。

さらにネットワークの帯域が広がるに伴い、実店舗での販売やレンタルという形態からネットワークでの配信・販売が主になるというビジネス上の大きな変革が起こり、社会文化としてもモノとして音楽を買うのではなく、コトとして音楽を聴くという変化が起こっています。
そして現在その販売方式も個々の商品に対しての支払いではなく、定額制のサービスいわゆるサブスクリプション方式へといった変化も起こってきています。

このようにDXとは、デジタル化・IT化によりビジネスの効率化や利便性の向上を図るだけでなく、デジタル化・IT化によりビジネスシーンや社会文化までも変革していくというものです。

DXの事例としてはUberやAirbnb、Netflixが良く挙げられるのですが、このことからもDXはビジネスシーンや社会文化等を変革するものであるということが分かるかと思います。


それでは、DXに取り組むとした場合、ビジネスシーンや社会文化を変えていくようなことを考えないとダメなのでしょうか。
そのような大きなことを成し遂げるのは、かなり難しいことだと思います。

ではどのように取り組んでいけばいいでしょうか。
まず、DXを実現するための技術として以下のようなものが提示されています。


  ● クラウド・モバイル・5G
  ● IoT・データ収集
  ● データ分析・BIツール
  ● AI・RPA

そして社会は「モノ」から「コト」へ、「所有」から「共有」に変わってきています。

ビジネスシーンや社会文化を変えるのではなく、これらの技術やキーワードをもとに自分達の商品やサービスを社会の変化にどう適応させていくのか、まずはそこから考えていけばいいのではないでしょうか。

まずは自分たちに変革を

自分達の商品やサービスをどう社会の変革に合わせていく、自分たちのビジネスを変えていくといったことも簡単ではありません。
もちろんビジネスを進めていくためにこれから取り組んで行くべきことではあります。ただ、このコラムのタイトルとしている「はじめの一歩」というには大きな話かも知れません。

それでは「はじめの一歩」としては、何から始めればいいでしょうか。
それはビジネスシーンや社会文化を変えることではなく、自分たちの業務シーンや企業文化を変えることです。

新型コロナウィルスの感染防止のため、リモートワークの導入が推奨されましたが、東京商工リサーチによる調査では中小企業において導入・実施されている企業は26.16%に留まり、実施したが取りやめた企業が26.20%、一度も実施していない企業が47.64%となっています(下図参照)。

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業種・業態によりリモートワークが実施できない場合も多いと思いますが、皆様の会社が「実施したが取りやめた企業」であるならば、何が原因で続けることができなかったのか、実施の範囲ややり方を変えることで続けることができなかったのかを考えてみてください。
また、皆様の会社が「一度も実施していない企業」であるならば、なぜ実施できなかったのか・しなかったのか、どこか一部でも実施することができなかったのかを考えてみてください。

リモートワークが必ずしも正しい選択とは限らないと思いますが、新型コロナウィルスの対応により世界のDXが進んだとも言われています。
その主たる要因のひとつがリモートワークやオンライン授業といったネットワークを利用した業務・業態の変革であり、今後ニューノーマルと言われる社会でこの流れは変わりません。
そうであれば、社会の変革に適応するためにDX取り組みの「はじめの一歩」としては、自分達の業務でリモートワークはどう導入できるのかの検討から始めてみてはいかがでしょうか。

また、リモートワークができない要因として、「ハンコ」を主とした紙での業務というものが挙げられています。
現在ではワークフローや電子印といった仕組みを利用することで“紙の書類にハンコを押す”業務は避けることができるのです。
紙の書類でしか処理できない業務を絞っていくことで、リモートワークに対応するだけでなく社内の業務も変えていくことができるはずです。

会議で使う書類を人数分コピーして用意するといったこともよくあることかと思います。さらに用意した書類は会議が終わると廃棄されることがほとんどでしょう。書類だけでなく、コピーする時間も含めて大きな無駄となります。
会議で使う書類だけでなく、多くのドキュメントを関係者で共有できるようにし、会議の場ではプロジェクターで映す他、個々人が手元のパソコンで共有されたファイルを見ることができるようにすることは、「はじめの一歩」としては取り組みやすいことではないでしょうか。

そして大事なことがもう一つあります。
それは社会の変革を自身で感じることです。

これまで述べてきたように社会は大きく変わってきています。
その社会の変革を進めているいろいろなサービスを自身で利用し体験しておくことはDXに取り組むうえで不可欠なことです。

DXのはじめの一歩に向けて

DXにより「2025年の壁」を克服しないと12兆円の経済損失が発生するとも言われています。
またDXにより社会は既に変革を進めています。
この社会の変革に適応していくためにも、まず自分達のビジネスあるいは業務では何ができるのか、何から始めたらいいのかを考えてみてください。
そして「はじめの一歩」を踏み出す、そのことが大切です。

このコラムが皆様のビジネスにおいて、「DX」を始めるはじめの一歩を踏み出すための参考となれば幸いです。 

 

上野 貢)
【執筆者プロフィール】
上野 貢

大学を中心とした教育機関の業務・教育システムの構築、開発に長年従事。大学から中・高、専門学校、塾等の業務システム、教育システムの要件定義から運用に至るまで多数の業務支援経験を持つ。インターネットの黎明期よりWEBを利用したシステムの構築、開発や企業のeラーニングシステム導入、利用、サービス提供に関しての支援など専門的な分野で活躍している。

<この記事に関連するサイト>
東商ICTスクエアお役立ちコラム
https://www.tokyo-cci-ict.com/column/
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